NOU-GYO Lab 2025:KOBE PAIR TRAWLINGS・西共水産/森 奈雄也さん
2025年に始動した「KOBE NOU-GYO Lab」(神戸農漁ラボ)
農家さんや漁師さんが“体験プログラム”をつくることで、もっと一次産業に関心をもつ方、一次産業に関わる人を増やそうという取り組みです。
2025年度は11のプログラムが実現に向けて動き出しています。
今回、参加されている方をご紹介していきます。vol.8はKOBE PAIR TRAWLINGS・西共水産の森 奈雄也さんです。
つくったプログラムなどは随時お知らせしますので、続報をお楽しみに。
KOBE PAIR TRAWLINGS・西共水産/森 奈雄也さん
①活動エリア
神戸市垂水区
②漁師を始めるきっかけ、年数
祖父から続く漁師の家系で、父親に漁師になりたいと言ったら、色んな世界を見てこいと最初は断られたんです。そこから職人系の仕事を転々としていましたが、やっぱり漁師になりたいと思い、17歳の時に再度父親に頭を下げて漁師の道へ入りました。漁師になってからは11年目になります。
③ どんな漁業をしていますか
夏場は「船びき網漁」でしらすを、冬場は「刺し網漁」でタイやカレイなどの根魚(※特定の場所に定着してあまり移動しない魚の総称)を獲っているのが中心です。漁師になって10年が経ちましたが、獲れる魚は徐々に減ってきていると感じています。
④体験コンテンツの開発に興味をもったきっかけ。
「KOBE PAIR TRAWLINGS」という、神戸で船びき網漁を営む漁師が集まるチームに所属しています。先輩漁師たちが、未来のために様々な活動に先駆けて取り組んでいる姿に影響を受けました。自分自身も、日々の漁の中で魚が減っていることや、海水温の上昇といった海の環境変化に危機感を持っています。魚を保護し、未来に残していくための第一歩として、魚や漁業に関心を持ってもらう体験コンテンツの開発に興味を持ちました。
⑤どんな体験コンテンツを提供したいですか。
「しらすのくぎ煮づくり」の体験を提供したいと考えています。近年いかなごの不漁が続き、神戸や兵庫県の郷土料理である「いかなごのくぎ煮」が消滅危機にあります。いかなごが戻ってくるまでの間、しらすでくぎ煮をつくる体験を通して、神戸の海でも美味しいしらすが獲れることや、しらすの魅力を伝えたいです。また将来的には、提供が難しいとされている「生しらす」を流通させていくきっかけにもなればと思っています。こうした体験を通じて、海の現状や課題を知ってもらい、参加者のみなさんと共に海を守っていくつながりをつくっていきたいです。