NOU-GYO Lab 2025:兵庫漁業協同組合/糸谷謙一さん
2025年に始動した「KOBE NOU-GYO Lab」(神戸農漁ラボ)
農家さんや漁師さんが“体験プログラム”をつくることで、もっと一次産業に関心をもつ方、一次産業に関わる人を増やそうという取り組みです。
2025年度は11のプログラムが実現に向けて動き出しています。
今回、参加されている方をご紹介していきます。vol.2は兵庫漁業協同組合の糸谷謙一さんです。
つくったプログラムなどは随時お知らせしますので、続報をお楽しみに。
兵庫漁業協同組合/糸谷謙一さん
①活動エリア
神戸市兵庫区
②農業を始めるきっかけ、年数
漁師を始めて26年目になります。家業だったので、幼い頃から漁師には興味がありました。中学2年生の春休みにアルバイトで船に乗せてもらい、先輩漁師の姿をかっこいいと感じ、憧れを抱いたことが直接の動機です。また当時の給料は現金支給だったので、父が受け取る姿を横目で見て、がんばれば稼げるというのも大きな魅力でした。当初は親に反対され、一度は大学に進学したものの、父が怪我をしたことを機に大学を辞め、本格的に漁師の道へ進みました。
③どんな漁業をしていますか
「船びき網漁」という漁法で、主にしらすやいかなごを獲っています。 船びき網漁は、探索船が探してきた魚の群れを後ろの2隻が網で取り囲むようにひいて獲る、3隻で1組のチームで行われます。
④体験コンテンツの開発に興味をもったきっかけ。
漁業者と一般の人々との間につながりがないことに問題意識を抱いたのがきっかけです。一般の人々が海や魚に対して無頓着である一方で、漁業の現場では魚が減っていることを強く実感していて、このギャップを埋める必要性を感じています。漁師だけでは伝えきれない現状を、映像や文章など専門的な力を持つ人と協力して発信していくことが大切だと考えています。
⑤どんな体験コンテンツを提供したいですか。
特に子育て世代のみなさんを対象に、海に触れ、海について考えてもらうきっかけとなる体験を提供したいです。あえて工場地帯に囲まれた兵庫運河のような場所で体験を実施し、すぐそばにある海が生き物にとって大切な場所であることを伝えたいと思っています。神戸の海には、小魚がたくさんいます。それはつまり、神戸の海は魚たちの保育園のような役割を果たしている豊かな場所なんです。その環境が危機にあること、でもみんなで海の環境は変えていけるということを知ってもらえるような体験をつくりたいです。