KOBE NOU-GYO Lab 2025:すまうら水産のみなさんフォトレポート
2025年に始動した「KOBE NOU-GYO Lab」(神戸農漁ラボ)
農家さんや漁師さんが“体験プログラム”をつくることで、もっと一次産業に関心をもつ人、一次産業に関わる人を増やそうという取り組みです。
2025年度は11のプログラムが実現に向けて動き出しています。
今回は、vol.11として、すまうら水産の取り組みを紹介します。
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すまうら水産有限責任事業組合
すまうら水産は、10年以上にわたって海に触れ、海について考えてもらうきっかけとなる視察の受け入れや体験活動を実施してきました。漁業の現場から、海で起きている変化や課題を直接伝えること。その積み重ねは、地域内外の多くの人にとって、海を「知る」入口になっています。
今回、すまうら水産が神戸農漁ラボと共に取り組むのは、2017年から始まった真珠養殖プロジェクト「Kobe SUMA PEARL」のさらなる発信です。
年に2回、丹精込めて育てた真珠の販売会を行ってきましたが、真珠や販売会の認知はまだ地域の中に留まっているという現状。 「この海で、漁師の手で真珠が生まれているという事実を、もっと広く、遠くへ届けたい」 そんな想いが今回のプロジェクトの起点となりました。

神戸は古くから「真珠の街」として知られてきましたが、その多くは加工や流通の拠点としての歴史。 すまうら水産が挑戦しているのは、その前段階。漁師自らが海を耕し、アコヤ貝を育てるという、文字通りゼロからの「生産」です。

すまうら水産と神戸農漁ラボ事務局は、パネルや映像の製作を通して、Kobe SUMA PEARLがどのような海で、どのような手を経て生まれているのかを改めて整理しました。
瀬戸内海と明石海峡が交わる須磨の海は、潮の流れが速く、六甲山系からの栄養豊かな水が流れ込む場所です。四季によって水温や海の表情が大きく変わり、その変化が魚介類だけでなく、アコヤ貝の成長にも影響を与えています。そうした環境の中で、日々海に出る漁師だからこそ気づけるわずかな変化が、真珠を育てる養殖の質を支えています。
また、真珠が生まれる仕組みや、浜揚げから前処理、穴あけ、選別、連組といった工程も可視化されました。
一粒一粒の表情を見極め、自然な色味や照りを活かしながら仕上げていく作業は、長年培われてきた神戸の真珠加工技術があってこそ成り立つものです。Kobe SUMA PEARLは、須磨の海で育てる漁師の仕事と、「真珠の街・神戸」が積み重ねてきた技術が重なり合って完成します。

こうした背景を整理することで、Kobe SUMA PEARLは単なるアクセサリーではなく、「須磨の海で生まれた真珠」であること、その土地の環境や人の営みを内包した存在であることを可視化することができます。
海を守りながら育てること、そしてその価値をきちんと伝えていくこと。一つ一つの取り組みから神戸の海のファンを増やしていくことを目指して、クリエイターと連携しながらプロジェクトを進めていきます。

